篠崎一雄特別顧問が国際生物学賞を受賞

投稿者: | 2020年12月21日

 宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの篠崎一雄特別顧問が第36回国際生物学賞を受賞し、12月16日に日本学術振興会にて伝達式が行われました。本賞は、昭和天皇と上皇陛下の長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに、生物学の奨励を目的として昭和60年に創設され、毎年1回生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者(原則として毎年1人)を受賞者として選考しています。(秋篠宮皇嗣殿下のおことば

本年は「環境応答の生物学」が贈賞の対象分野でした。
 篠崎特別顧問は、植物が受ける環境ストレス、乾燥や低温、高塩濃度などに対する耐性獲得とその応答のメカニズムを分子生物学的手法を用いて世界に先駆けて解明し、この分野を先導して来ました。
 モデル植物であるシロイヌナズナを用いて、植物にとって大きなストレスとなる水分や温度、塩分濃度などの環境変化に応じて発現する遺伝子を多数発見し、それらの制御メカニズムを明らかにしました。特に、乾燥ストレスについては、従来から知られていたアブシジン酸を介した、気孔を閉じ、葉からの蒸散を抑制する仕組みのような経路とは別に、アブシジン酸に依存しない制御系があることを示しました。さらに乾燥ストレス応答において、根から葉への長距離情報伝達因子を確定し、新たなメカニズムを発見しました。
 また、シロイヌナズナで発見した環境ストレス耐性に関わる遺伝子を利用して、乾燥耐性の作物への応用に向けて海外の機関との共同研究を進められ、シロイヌナズナの乾燥耐性遺伝子を導入した形質転換イネやダイズにおいて、乾燥耐性の強化や収量の増加を実際の耕作地で証明しています。
 これらの研究とその成果は、環境応答の生物学における基礎をなす重要なものです。そして、応用分野としても、気候変動によって今後懸念される世界の食糧危機克服に向けて大きく貢献することが期待されると高く評価されて今回の受賞に至りました。

宇都宮大学バイオサイエンス教育センター植物分子農学部門HP


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