2024年度開催

第109回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)

2024年5月27日(月)14時20分~
場所:宇都宮大学峰キャンパス (場所の詳細は近日中に公開)
講演者:戸高 大輔 博士(理化学研究所環境資源科学研究センター)
タイトル:植物の環境ストレス耐性を向上させるエタノールプライミング
内容:植物は、乾燥や高温などの環境ストレスに対し優れた耐性機構を進化的に発達させてきた。近年、ケミカルプライミングという手法によって環境ストレス耐性をさらに向上させる研究が盛んに進められている。ケミカルプライミングは、特定の化合物で植物を予め処理することでその後曝されるストレスによる障害を軽減させる技術である。我々の研究室は、古くから人間にとって身近な物質であるエタノールで植物を予め処理することにより環境ストレス耐性が強化されることを見出した。本講義では、このエタノールによるプライミング機構の仕組みを解明する研究内容について紹介する。

第108回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)

2024年4月24日(水)16時00分~
場所:オンライン
講演者:淡川 孝義 博士(理化学研究所環境資源科学研究センター)
タイトル:天然物生合成経路の利活用による新規活性分子の創出
内容:天然物生合成経路の中には、共通の中間体から複数の骨格へと生合成されるものが存在し、それらの酵素反応を解析し、利用することで、多様な活性分子を合成することが可能となる。本講義では、天然物の生合成に関わる、特異な生合成酵素とその利用による物質生産について解説する。糸状菌メロテルペノイドの生合成を例に挙げると、テルペン環化には共通の中間体からいくつかの生成物を与えるバリエーションがあり、それらをゲノムマイニングして用いることで多様な生合成経路を一挙に組み上げることができる。また、酸化酵素の中には構造類似性が高いが異なる反応を触媒するものが存在し、これらを結晶構造解析し、変異体を合成し、これを反応に用いることで、酸化位置、回数が異なる新たな生成物を取得することができる。