植物が自ら天気予報!?夜間の低温を感知して夜明けの光応答を促進する

投稿者: | 2025年2月7日

―センサ分子によって夜明け前後で誘導される植物の新奇プライミング機構を発見―

■本研究のポイント

  • 植物は光に反応して気孔を開く気孔開口や、光に向かって伸長する光屈性などの光応答(注1)を日々誘導することで(図1)、周囲の光条件に合わせて光合成効率を最適化します。
  • 本研究では、植物の青色光と温度のセンサタンパク質であるフォトトロピン2(phot2)が夜間の低温を感知することで、夜明けの青色光応答を促進することを明らかにしました。
  • 晴れた夜には放射冷却(注2)によって地表付近の気温が下がるため、夜の低温を感知した植物は夜明け後に晴れると予測し、夜明け後の光合成を活発に行うために青色光応答を促進する「低温誘導性のプライミング」を示したと考えられます(図1)。

■研究概要
環境の変化を予測し、それに先立って生理的な準備を整えることは、地球上の生物が最適な成長と生存を維持するために重要です。このたび、モデル植物であるシロイヌナズナにおいて、フォトトロピン 2(phot2)というセンサタンパク質が夜間の温度を感知してプライミング(生理的準備)を引き起こし、夜明け後の青色光応答を調整する上で重要な役割を果たすことが明らかとなりました。本研究は、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの児玉豊教授を中心とする研究グループによって実施されました。メンバーには同大学大学院地域創生科学研究科博士後期課程 3年の野口穂氏、博士前期課程 2年の慶野壱星氏、研究支援者の高橋ひとみ氏(研究当時)、藤澤麻美特任技術職員が名を連ね、共同研究者として山口大学の山内翔太博士(現在東京理科大学助教)、武宮淳史准教授、日本工業大学の芳賀健教授、新潟大学の酒井達也教授が参加しました。本研究成果は2025年 1月 30日付で Journal of Experimental Botany に掲載されました。
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【お問い合わせ】
バイオサイエンス教育研究センター
教授 児玉 豊
TEL: 028-649-5527
FAX: 028-649-8651
E-MAIL: kodama※cc.utsunomiya-u.ac.jp
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