来月6月5日(土)、国立京都国際会館において開催される「科学・技術フェスタ in 京都 -平成22年度産学官連携推進会議-」(内閣府等主催)における「第8回 産学官連携功労者表彰」で、夏秋知英農学部教授・バイオサイエンス教育研究センター長が、小坂能尚京都府農林水産技術センター生物資源研究センター所長、(株)微生物化学研究所と共に事例名「植物ウイルス病ワクチンの開発と製品化」で農林水産大臣賞を受賞することが決定しました。
同表彰は、大学、公的研究機関、企業等の産学官連携活動において、大きな成果を収め、また、先導的な取組を行う等、産学官連携の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し、その功績を称えることにより、我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的とするものです。
今回の受賞は、農作物に甚大な被害を及ぼしているウイルス病に対して予防のためのワクチン(弱毒ウイルス)を開発、製剤化し、人や環境への安全性も高い生物農薬として世界に先駆けて実施した共同研究開発が、産学官(公)連携で推進した先進事例として高く評価されました。この共同研究の中で宇都宮大学は各種ワクチンがどうして弱病原なのか、なぜ予防効果があるのか、などを遺伝子レベルで解明しました。またこの受賞は、単にワクチンを開発して作物をウイルス病から守ったというだけではなく、ワクチン接種苗の付加価値向上と高品質農作物の安定生産、化学農薬使用量削減による環境保全型農業の促進、消費者の「食」に対する安心感・信頼感の向上、などに寄与することも評価されたようです。
夏秋教授は、専門の植物ウイルスの研究や生物生産科学科における教育、バイオサイエンス教育研究センターの運営に携わっているだけではなく、新しい時代に向けて地域の「食」「農」「環境」におけるイノベーションの創出や新たな産学官連携を目ざす「しもつけバイオクラスター」の創設や、高大連携のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)やサイエンスパートナーシッププロジェクト(SPP)の活動にも取り組んでいます。