植物は自身の形づくりのために、体内で「植物ホルモン」とよばれる化学物質を作ります。宇都宮大学、東北大学、大阪府立大学、静岡大学による共同研究グループは、枝分かれ(脇芽の成長)を調節する植物ホルモンであるストリゴラクトンが作られる経路の一つを解明しました。さらに、枝分かれを抑制する新たな物質を発見しました。植物の枝分かれは、最終的な花や種子の数を決める重要な因子です。したがって、本成果は農作物やバイオマスなどの増収を目指した応用発展も期待されます。
本成果は、米国科学アカデミー紀要『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)』に掲載されるに先立ち、オンライン版(2014年11月25日)に掲載されました。
〈ポイント〉
- ストリゴラクトン生合成経路で働く酵素の機能を解明
- 酵素生成物の類縁体に枝分かれ抑制活性があることを発見
- 農作物やバイオマスなどの増収研究への貢献が期待される
〈今後、どのように発展していくか〉
植物の枝分かれは、最終的な花や種子の数を決める重要な因子です。したがって、枝分かれを制御することは、作物の生産性や栽培作業の効率化に繋がり、将来的には農作物やバイオマスなどの増収を目指した応用発展も期待されます。
〈本共同研究グループについて〉
本研究は、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの野村崇人准教授と米山弘一教授ら、東北大学大学院生命科学研究科の瀬戸義哉助教と山口信次郎教授ら、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の秋山康紀教授ら、静岡大学大学院農学研究科の大西利幸准教授との共同研究として実施されました。
本研究に関するお問い合わせ先
国立大学法人宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
担当:准教授 野村 崇人
TEL:028-649-5152
E-mail:tnomura*cc.utsunomiya-u.ac.jp(*を@に置き換えて下さい。)