・植物における細胞診断法を世界で初めて確立
・レタスの葉の大きさと厚さの予測制御に成功
・植物工場で栽培する様々な作物に利用できる可能性
宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの児玉豊准教授の研究グループによる「植物の細胞診断法」に関する研究成果が、国際園芸科学誌「Scientia Horticulturae」に掲載されます。
医学および畜産分野では、細胞診断学/細胞病理学の知見に基づき数々の優れた細胞診断法が実用化され、近年では癌のタイプを特定しての有効な治療等にも活かされています。一方、植物細胞については、実用化に足る科学的な細胞診断法は確立されてきませんでした。
児玉准教授の研究グループは、植物の細胞小器官である葉緑体の配置に着目し、植物工場などの屋内施設で栽培される作物で利用可能な「植物の細胞診断法」の技術を開発しました。
今回の研究では、植物工場でよく栽培されているレタス(サラダ菜)の細胞を診断し、診断結果に基づく予測から光環境を調節することによって、見た目や食感に影響する葉の「大きさ」と「厚さ」の制御に成功しました。
本診断技術は、様々な作物に利用することが可能であるため、将来、植物工場などの屋内施設で栽培される多くの作物の「見た目」や「食感」の調節に貢献できる可能性があります。
論文名:Prediction of prospective leaf morphology in lettuce based on intracellular chloroplast position
雑誌名:Scientia Horticulturae URL:https://doi.org/10.1016/j.scienta.2019.02.080
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