日本学術振興会の科研費事業の一環であるひらめき☆ときめきサイエンスでバイオサイエンス教育研究センターでは、毎年高校生を対象としたバイオテクノロジー体験講座を夏にやっていましたが、今年はコロナでそれが出来ずに、オンライン開催となりました。コロナが落ち着くのを見計らっているうちにもう12月で、このタイミングでしか開催出来ないということで、11月末から準備を進めきました。準備は、何もかも初めてで、私も担当の学生(中野さん、Wengさん、佐藤君)もすごく大変でした。植物材料の変異株(組換え植物でない)、携帯顕微鏡を参加者高校生全員に送って、気孔の観察や変異株のDNA変異の説明をzoomやgoogleクラスを駆使して行いました。特に携帯顕微鏡は吟味して、透過してスライド試料を観察することのできるこの顕微鏡にしました。かなりくっきり見えるので、時代は進んだと改めて思いました。自分が小学生の時にお小遣いで買った顕微鏡よりも遙かにしっかり見えます。しかも、参加者にはSUMPセットも付属した最強豪華な体験講座です。
気孔観察のためのSUMP版の作成です!作成の動画も準備しました。この実験で意外だったのは、研究室の近くの金木犀の葉をSUMP版で見たら気孔が沢山ありました!
植物ホルモンのアブシシン酸が合成できない変異株を高校生に送って、変異株の萎れやすさを体験してもらいました。遺伝子が壊れて、アブシシン酸が合成できないと、こんなになっちゃうんですね。シロイヌナズナ変異株蒸散量試験の動画
コロナ感染症で活躍しているサーモカメラですが、私達の実験でも活用しています。気孔が開いている変異株はサーモカメラでみると凄く冷たいのがわかります。これもリアルタイムでzoomで配信しました!
遺伝子変異の解説です。動画とzoomを駆使して、高校生に送った変異株がどのような塩基置換によって生じた形質なのかを分子のレベルで説明しました。
一般公開では絶対にみることのできない、バーチャルラボツアーの動画です。これが大学の研究室です!楽しんでもらえたのではないかと思います。事後アンケートの結果でも高校生がみんな満足してくれていたのが大変嬉しかったです。しかし、高校生も普通にzoomを使って参加していました。コロナによって様々な事、世の中の仕組みが、ガラリと変わったなと感じました。