植物も動物も生きるために必要な様々な分子を自分で作っています。部門で扱う植物分子とは、DNAなどの遺伝物質と、香りや色素などの化学物質を指します。これらの植物分子を研究する農学研究を『植物分子農学研究』と位置づけています。
近隣の地域で言えば、現在の農作物を科学的に評価することで、内陸性気候や温暖化に適応するような新しい作物栽培法を提案したり、新しい品種を作ったりできると考えています。このような活動は、似た気候を持つ世界中の地域でも展開可能です。
10年先あるいは25年先の未来において、環境に優しく安定的な農業生産を実現するためには、様々な視点から植物を調べることが必要です。
そこで本部門では、バイオサイエンス教育研究センターが軸となり、農学系と工学系の研究者間の垣根を無くし、「分子」を共通キーワードとした新しい農学研究を展開します。このような研究活動は、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献します。
研究も生物と同じで環境に応じて変化していくことが必要です。そのため、新しい研究技術を取り入れ、世界にみとめられる研究を発表していくことが重要です。最先端の研究を行う科学者が宇都宮大学に在籍することが究極の地域貢献と思っています。
また、地域企業・自治体・ほかの教育研究機関との連携を強化し、各方面で貢献していきたいと考えています。
いかに医療が発展しても植物の恩恵をなくして人類は存続できません。
地球温暖化が待ったなしの状況ですので、いずれ世界の農作物生産バランスは崩れていきます。その状況を変えるためには、植物分子農学に関する知識と技術が不可欠です。そのために次世代を担う若い皆さんの力も必要です。宇都宮大学の植物分子農学分野の研究者には、常に新しいことへの挑戦を続けますので一緒に研究しましょう!