大学院生の小野晶子さんが きのこ学会の学生優秀発表賞を受賞

投稿者: | 2018年9月17日

宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの生物分子情報学研究室(鈴木研究室)に所属する大学院生の小野晶子(おのあきこ)さんが、函館で行われた日本きのこ学会(http://www.jsmsb.jp/)第22回大会において「学生優秀発表賞」を受賞しました。受賞課題は「冬虫夏草(Cordyceps militaris)由来レクチンの機能解析」です。本学会は、わが国におけるきのこの科学と応用技術の発展を図ることを目的として、平成16年4月に改称・新発足した日本学術会議の学術登録団体で、平成元年に発足した「きのこ技術集談会」およびそれから発展した「日本応用きのこ学会」を前身にして今日に至ったものです。

冬虫夏草は昆虫などから発生する「きのこ」であり、古くから漢方薬として利用され、その貴重さから高値で取引されてきました。小野さんは冬虫夏草の一種であるサナギタケのレクチンと呼ばれるタンパク質の研究を行いました。レクチンとは糖鎖に結合するタンパク質です。糖鎖は、私たちの細胞の表面に様々な形で存在しており、この糖鎖にレクチンが結合することで細胞と細胞の間の情報伝達を行うなど、多くの生命現象に関わるタンパク質です。


冬虫夏草の一種サナギタケ

サナギタケは地中で生活する蛹を宿主として感染し、きのこ(子実体)を作ります。小野さんはサナギタケのレクチンが、1)蚕の蛹に対して羽化を抑制・促進する作用があること、2)感染能力・子実体の形成に影響をおよぼすことを明らかにし、今年6月に横浜で行われた新規素材探索研究会の奨励賞を受賞したばかりです。さらに今回の発表では、この蛹の羽化の抑制・促進効果が、レクチンの糖認識機能に起因するものであることにも言及し、学生優秀発表賞の受賞に至りました。


2学会で賞を受賞した大学院生の小野晶子さん

 

※本研究は宇都宮大学研究拠点創成ユニット (UU-COE) 「きのこ分子制御研究拠点—農工連携きのこプロジェクト」の支援を受けて遂行されました。

<本件に関する問合せ先>
宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター
担当:大野
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