宇都宮大学研究拠点創成ユニット (UU-COE) 「きのこ分子制御研究拠点—農工連携きのこプロジェクト」
シイタケ、マイタケ、エリンギ等、きのこ類は食品として馴染み深い生物であり、野菜として取り扱われることもあるが、きのこ類は植物ではなく「食べられる菌」であるため、菌類特有の成分を含み、一部の成分は機能が実証され医薬品としても利用されている。一方、きのこ類は菌類の中でもユニークな生物的特徴をもつ。その1つが「子実体の形成」である。きのこ類はカビの仲間であり、菌糸と呼ばれる糸状の細胞から構成されるが、カビ類とは異なり、きのこ類は胞子によって繁殖する際、子実体と呼ばれる比較的大型の生殖器官(一般的はこの生殖器官がきのこと呼ばれている)を形成する。また、この形態変化には光や温度などの「環境的要因」が関与する。このような特徴的かつ劇的な形態変化をする生物がきのこである。さらに、きのこ類は「木材を完全に分解」できる地球上に唯一の生物であり、木材をはじめとする生物資源の有効利用を考える上でも注目されている。
本研究拠点では、きのこの育種研究、イメージング研究、分子・機能解析研究から、きのこの生態の全容を解明することで、食品、医薬品、工業製品、住宅、林業など多方面で実用可能な技術・商品を生み出し、地域から日本そして世界へ貢献することである。