平成27年度 iP-U受講生インタビュー

平成27年度iP-Uに参加した受講生たちにiP-Uを通じて学んだこと良かったこと、それから辛かったこと苦しかったことなどをお聞きしました。

栃木県立宇都宮高等学校1年生 新村憲人さんU27-083

Q「iP-Uに参加して楽しかったこと、面白かったことを聞かせて下さい。」
A「やっぱり大学の先生の元で、博士課程や修士課程の方と同じような最先端の高度なことが研究できるというのが楽しかったです。」

Q「どんな研究をされているんですか?」
A「宇都宮大学では地学の相田先生、それから帝京大学の久保田先生から宇宙工学もどう?というお誘いを頂きまして、もともと機械が好きだったのでそちらも参加させていただいています。久保田先生は人工衛星の開発をやっているのでその手伝いを、宇都宮大学の地学は修士論文クラスの研究をさせていただいて、それが本当に楽しいです。」

Q「ところで、高校は普通に通ってるわけですよね。忙しくないですか?部活は?」
A「すごく忙しくて本当に寝る間を惜しむ感じです。大変なときは徹夜2日連続もありました。高校の勉強も手を抜くと大変なことのなるので、そっちもやりながら研究の方も・・・例えば研究をやって夕方帰ってきて、疲れて寝ちゃって、夜中焦って起きてそこから勉強を始めることもあります。」

Q「イライラしたり、もう無理だ!って思うことはないですか?」
A「正直あります(笑)
でも、高校の担任の先生がこういう事に前向きで、『高1の時は勉強も大事だけど、研究がしたいならした方が将来的に大学を目指すときに良いだろう』って言ってくれています。例えば入試でも、難関校はそういう研究を通して学んだことを活かせる出題があるんだそうです。だから高校で出るような問題を延々と解くことに固執するなと応援してくれています。それが励みになっています。それにiP-Uでもサポートがあります。コーチングの先生に時々そういう悩みを聞いてもらっています。高校との両立をどうするか、部活との両立をどうするかということを打ち明けられる場所があるので、それは本当にありがたいです。」

 

栃木県立佐野高等学校2年生 関拓洋さんU27-085

Q「iP-Uに参加して面白かったことはなんですか?」
A「必須科目のグローバル・コミュニケーションで、英語を使って難題を解決しようという授業がありました。生徒同士がグループになって、限定された道具と材料を使って卵を落としても割れないような装置を作るんです。自分の持っているアイディアを皆に科学的に説明して、また皆からのアイディアも聞いて、そういうのをまとめて共有し一つの作品を作るというのがとても面白かったです。」

Q「そのやり取りを全部英語でするんですか?」
A「生徒同士は日本語で良いんですが、先生からの指示やアドバイスは英語です。」

Q「先生の英語はよくわかりますか?」
A「なんとなくですが・・・(笑)
文法をしっかりやるというよりかは、実践的に意味合いが分かれば良いので、単純に言葉だけからというより状況と併せて考えてこんなことを言っているんだろうな、というような感じです。」

Q「では、逆にiP-Uの辛かったことはありますか?」
A「移動・・・でしょうか。自分は佐野に住んでいるんですが、佐野から通うのが大変です。片道1時間くらいかかるので・・・それからiP-Uの授業は土日なので、高校の授業と併せると休みがなくなってしまうんです。でもやっぱり自分の知らなかったことを学べるというのは普通体験できることではありませんから、大丈夫です。」

Q「iP-Uで自分の興味のあることをやれていますか?」
A「自分の興味が有ることというよりは、興味を広げている感じです。今は高校生ですし、自分を縛らないで興味を持てることを広げていこうと思っています。」

 

栃木県立佐野高等学校1年生 新井隆太さん

U27-013

Q「どんな研究をされていますか?」」
A「関さんと同じ高校でカメの研究をしています。二箇所で採取したカメの差について、差が生まれる原因としては食生や環境もあると思うんですが、僕らはDNAの違いがあるんじゃないかと着目して、宇都宮大学で調べさせてもらっています。」

Q「iP-Uで面白かったことは?」
A「iP-Uでは、ここまでやっていいんだ!っていう所で感動しました。最初iP-Uは、実際は大学の研究室を見学して、自分たちも考えてみようと投げかけられるだけかな、と思っていました。でも自分たちで研究プランを考えるように指示されて・・・もちろんアドバイスは貰えるんですが、まさかそこまで自由に出来るとは期待してなかったので、いい意味で裏切られた感じです。」

Q「それでは辛かったことはありますか?」
A「通学が一番つらいです。自宅はちょっと遠いので・・・」

Q「研究で壁にぶつかったりとかはないですか?」
A「一つの種のDNAを突き止めようと研究しているんですが、実験の結果、同じ種類のはずなのに全く違うDNAが出てて、それが何故か見当もつかなくて・・・先行研究があまりなく、自分達が先駆的にやっている研究なので・・・なかなか難しいとは感じています。でもそこがまた面白いです。」

 

栃木県立栃木高等学校1年生 臼居峻平さん

U27-012
Q「どんな研究をしていますか?」
A「遺伝的アルゴリズムを用いたロボットの形態進化に関する研究をやっています。ロボットを制御する命令を進化させるというか・・・まずある程度プログラムが少しずつ変わるようにランダムで自動再生します。その後そのプログラムを、何万回とシミュレーションで動かしてみるんです。成績の良かったプログラムを残して更にそれを元にまた少し変化を、と進めていけば、自動的によいプログラムが出来るという感じです。

Q「iP-Uで面白かったことってありますか?」
A「自分の興味のある事は自分で学習を進めてるんですが、iP-Uでは他にもたくさん授業があります。そういうのを受けていると、自分が目を向けていない分野に対する認識がちょっと広まります。それから、同じような人たちと出会える場っていう点でもいいなって思います。高校では自分と同じようなことを考えてる人ってあまりいなかったので、こういう場で出会えて嬉しいです。」

Q「じゃあ今度は大変だと感じたことを教えて下さい。例えば高校との両立や部活はどうですか?」
A「部活はメインの合唱部と、SSH部数学班、語学部、それから生徒会です。」

Q「めちゃくちゃ忙しいですよね?」
A「確かに時間分配は難しいです。それから宇都宮との往復は2時間以上かかるので大変です。それから金銭的な問題が・・・」

Q「でも講座って無料ですよね?」
A「そこは大丈夫なんですが、交通費がちょっと・・・お小遣いでなんとかなる額ではないので両親にお願いして貰うのですが、積み重ねになるとばかにならない額なので、本当に両親には感謝しています。」

Q「ちょっと研究について詳しく聞きたいんですが、プログラミングに使っている言語はなんですか?」
A「C++です。C++は今までやったことがなかったので難しいです・・・」

Q「コンパイルしようとしたらエラーがぶわーっと出てガッカリするとか(笑)
A「それはしょっちゅうです。コンパイルはできたけど思った通りに動かないとか・・・

Q「イライラしたりしないですか?」
A「します(笑)でも根気よくやることもあるし、音楽聞きながらちょっと気を抜いてやったり、数日置いて落ち着いてからもう一度やってみるとか・・・気分転換するようにしています。

Q「プログラミングって、例えば他の人は何百行も書いて作るけど、ちょっとしたアイディアで数行で済んだりなんて事があるじゃない?
A「ありますねー!そういうのかっこいいですよね。でも自分はまだそういうレベルじゃないので、これからそうなれたらいいなと思います。

 

《時間の都合上ここから合同インタビューになります。》

栃木県立宇都宮女子高等学校1年生 野澤裕美さんU27-079

Q「野澤さんの、iP-Uで良かったことを聞かせてください」
A「講義は難しいですが、話的にはまだわからなくても、実験をしてみたりとか手を動かしてみるのが楽しいです。頭ではわからなくても、結果が出たりとかが良かったかなって思いました。」

Q「では、つらいこと、厳しいなと感じたことについても聞かせて下さい。」
A「やっぱり内容が難しいなって思います。授業が一回一回完結してることが多いんですが、そういうことがあるんだーって思っているうちに終わっちゃって。自分はもっと深くやりたいんだけど、それは来年度もしたら自分の研究が持てるんですが、そういう機会があったらありがたいなって思います。でも、あと辛い事とはちょっと違うかもしれないんですが、自分から知らない人に話しかけるスキルは身についたかなって思います。知ってる人が少ないから、自分から話しかけないと友達もできないし、さみしくなっちゃうんで。」

Q「iP-Uでは、ほとんどの講義でグループを作って進めていきますよね。知らない日に話しかけるのは緊張したりしませんか?」
A「知らない人に話しかける機会は多いので、それで慣れてきた感じはあります。」

《インタビュアー補足》
今日の講義でも授業中グループを作り、受講生同士で考えて発表するという場が頻繁にあります。インタビューの直前に行われていた講義、研究倫理ワークショップ1。
研究倫理ワークショップ①
グループを作って考えて
研究倫理ワークショップ③
意見を交換し合う。
研究倫理ワークショップ④
そして発表する。
発表者は誰が充てられるかわからないので、全員が意見をまとめておく必要がある

 

東京都立戸山高等学校1年生 田中万里安さん


Q「田中さんはどうですか?」
A「みんな科学が好きな人が集まっいて、そういう人たちと実験をしたり、ディスカッションをしたりすることでいろんな意見の違いが出てきて、とても面白いなって思いました。」

Q「厳しいと感じることは?」
A「私はバレーボール部に所属しているんですが、バレーボールって集団でやるスポーツですよね。うちのバレーボール部は土日も練習があるんですが、私はiP-Uがあって参加できないのが少し寂しいです。iP-Uと部活、やるならどちらかに専念するしかないなって思いました。」

Q「ちょっと残念だけど、時間が被っちゃったらどちらかを選ぶしかないっていうのはありますよね。」
A「はい。そろそろ部活諦めちゃうかなって思っています。」

 

栃木県立大田原女子高等学校2年生 沼野井志穂さん

U27-052
Q「沼野井さんはiP-Uにどんな感想を持っていますか?」
A「英語の先生との1対1で話せる時間があるんですが、高校ではなかなかできない事ですし、先生方もすごく面白い方ばかりなのでとても楽しいです。たまに英語がちょっとわからない事もあるのですが、それも逆にすごい楽しいです。

Q「つらいことはありますか?」
A「私は勉強が大変です。高校のテスト期間でもiP-Uがあるので仕方なくiP-Uを休むこともあるんですが、この間はどうしても受けたい物理の講義があって・・・そういう時はテスト期間でも参加します。でも、やっぱりそうするとテストの勉強時間が少なくなるので難しいです。
それに私は今2年生なので、来年は受験生なんです。二年目の才能育成プランも行きたいんですが、受験生になるとちょっと大変かなって思っています。

Q「ちなみに物理好きなんですか?」
A「はい。夏休みにKEK(筑波にある高エネルギー加速器研究機構。巨大な加速器で粒子を加速し、ぶるけることで、この世界の成り立ちを解き明かす為の研究をしている)を見学して、それで素粒子分野に興味を持ったんですけど、でも今、大庭先生に科学の研究をさせていただいていて、それもすごく楽しくて・・・高校の化学の授業も面白くなってきたので将来どちらの方向に行こうか迷っています。

宇都宮文星女子高等学校1年生 木村日南さんU27-005

Q「木村さんはどうですか?」
A「私は一日獣医体験と生殖科学実験教育が印象的でした。家が酪農家で牛を飼っていて牛に日常的に接しているので、獣医という職業や人工授精というものが身近にあるものなので・・・それを専門的な方向から触れることができてすごく面白かったです。」

Q「ちょっとお聞きしたいのですが、そういう実践的な知識って高校の授業とは開きがあるというか、間が全部埋まるわけじゃないと思うんだけど、その辺りの不安や難しさはないですか?」
A「ありました・・・でも面白いです!」

東京都立戸山高等学校1年生 權奇旭さんU27-132

Q「權さんはどうでしょう?」
A「大学方の数学という講義が印象的でした。高校の数学とは違って大学ではより実践的というか、実際にどういう計算がどこで必要になるか、という授業なんですが、高校での授業がどういうふうに現実と繋がっていくか、ということが分かって面白かったです。」

Q「反対に大変なことは?」
A「僕は東京から通うのが大変です。片道2時間半くらいかかります。6時に起きて7時に家を出ました。」

東京都立戸山高等学校1年生 前谷浩史さんU27-131

Q「前谷さんも東京ですよね。やっぱり通うのは大変ですか?」
A「はい。でも講義が面白いので大丈夫です。iP-Uの講座は教わった知識をもう一段階発展させて、実際に自分で手を動かしてみるというのが面白かったです。座学だけじゃないから知識が定着するし、高校では学べないような高度なことを見て科学への関心が広がった感じがします。」

Q「手を動かすっていうと実験ですか?」
A「実験もそうですが、観察とか実習もそうです。一番印象に残っているのは、木村さんと同じ一日獣医体験です。ヒツジのips細胞の移植手術は忘れられません。自分が直接やったわけではないのですが、先生に解説していただきながら間近で見ることができました。ニュースでそういう技術があることは知っていましたが、すぐそばで実際に見ることができたのは良かったです。」

栃木県立矢板東高等学校1年生 須藤晶子U27-069

Q「須藤さんは何が楽しかったですか?
A「もう全部が楽しかったです。でも1番印象に残っているのは講義とは別なんですが、iP-Uの先生から紹介を頂いて、獨協大学の研究の話を聞いた時のことです。私は医療に興味があって色々な医大のキャンパス見学は行ったことあったんですが、実際に講義室に入って医大生を間近に見るのは初めてだったので、色々と感化される部分がありました。みんな白衣着てるし、ノートはドイツ語だしで、すごいカッコいい!って。やっぱり自分もなりたいな!って思いました。」

Q「では、つらいと感じたことは?」
A「私は通学は大丈夫なんですが、やっぱり部活との両立が難しいです。私はダンス部なんですが、平日の活動がハードで帰宅が8時くらいになっちゃうんです。そうなると、疲れちゃってあまり勉強できなくて、成績が下がっちゃって・・・それで部活はやめました。」

Q「今は少し余裕ができた感じですか?」
A「1週間あたり10時間くらい勉強時間が増えました。」

インタビュー①
(ここでそんなに!?という声が他の生徒さんから上がりました。皆さん部活との両立は悩ましい所のようです)

Q「正直な話、部活との両立は難しい部分がありますか?
A「はい。特に運動部だと疲れて寝ちゃうので、そこが厳しいです。でも部活の先輩や顧問の先生も理解してくれて、勉強に集中したいならいいし、いつ戻ってきてもいいよって言ってくれてとても嬉しかったです。」

Q「高校でもいい仲間がいて良かったですね。」
A「ありがとうございました。」

 

《インタビュアー補足》

講義が終わった後でも友達同士で今日の授業についてさらのい話したり、大庭先生や松田先生に将来について相談している姿も身かけたのですが、皆さん笑顔で学ぶという事を楽しんでるな、というのが印象的でした。
面談①

面談②

ただ忙しいのは皆さん同じで、時間のやりくりには苦労しているようです。それでも、ラウンジでバスの時間まで勉強している人がいたりと、たった半年と少しの間に、大人顔負けのなほどに時間を上手く使う方法を身につけているな、と驚きました。

撮影・取材  勝戸篤人