2021年度開催

第85回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)
日時:2022年1月19日(水)16時00分〜
場所:1号館1A22教室 + オンライン(ハイブリッド形式)
講演者:越水静博士(明治大学 農学部)
タイトル:植物の生殖における進化
内容:生殖は種が存続するために必要な生命現象である。陸上植物では卵生殖が進化し精子と卵によって生殖が行われるようになった。また被子植物では虫媒花は優美な花を咲かせることで昆虫による花粉媒介を可能にした。発表者はこういった植物の生殖における進化に興味があり、ここではこれまでに明らかにした、花器官形成因子MADSドメインタンパク質の機能進化と、分子進化によって精子形成に関与するようになった基底小体タンパク質BLD10について、そして新たに着手している花の構造色研究について紹介する。

第84回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)
日時:2021年11月8日(月)16時00分〜
場所:オンライン
講演者:浅井秀太博士(理化学研究所 環境資源科学研究センター)
タイトル:植物・病原菌間相互作用機構の理解と応用
内容:植物と病原菌は、共進化の過程で、それぞれ強固な生体防御システム、および複雑な感染機構を発展させてきたと考えられている。本講義では、この植物と病原菌の攻防における、最新の知見を紹介すると共に、演者らが進めている病害防除に向けた応用研究について紹介する。

第83回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)
日時:2021年9月22日(水)16時00分〜
場所:オンライン
講演者:岩瀬哲博士(理化学研究所 環境資源科学研究センター)
タイトル:植物の再生能力の分子メカニズムとその応用
内容:植物は様々なストレスに応じて再生能を発揮する。単離した一つの細胞からでも芽や根、胚を再生することができる。この能力コントロール技術が確立された1950年代以降、私たちヒトは植物から更なる恩恵受けて来たが、植物がどのように再生能力を発揮するのかについてはまだ理解の途中にいる。本講義では、植物の再生能力とその応用について概観するとともに、演者らが進めている再生能力の分子機構解明に向けた研究について紹介し、分子農学的なアプローチの可能性について議論したい。

第82回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)
日時:2021年7月12日(月)12時40分〜
場所:オンライン
講演者:豊岡公徳博士(理化学研究所 環境資源科学研究センター)
タイトル:電子顕微鏡解析法: 生物の超微細構造を視るには?
内容:電子顕微鏡は、光学顕微鏡では見る事のできない微小な構造を視ることができる。電子顕微鏡が開発され100年近く経つが、近年の技術開発により、これまで視ることの出来なかった微細構造が次々と明らかになっている。本講義では、植物や動物など生物の組織・細胞内の現象を捉えるために、演者らが撮影した顕微鏡写真を織り交ぜながら、開発してきた電子顕微鏡技術を紹介するとともに、最新の研究成果や電子顕微鏡技術を紹介する。

第81回C-Bioセミナー(植物分子農学シリーズ)
日時:2021年5月19日(水)16時00分〜
場所:オンライン
講演者:松井求博士(東京大学 大学院理学系研究科)
タイトル:微生物×生態×進化:”古い問題”に”新しい手法”で挑む
内容:次世代シーケンサー(NGS)の飛躍的な発展は、バイオインフォマティシャンにとって大いなる福音であると同時に厄介な問題でもあった。大規模データは全体の俯瞰を可能にする一方で、我々が理解するには”複雑すぎる”のである。したがって、生物学における”本質的な問い”に答えるためには、このような大規模データから人間が理解可能な情報をいかに取り出すかが鍵になる。本セミナーでは、我々が最近開発した
(1)Bacteriaの形態情報データベース「Bac2feature(バックトゥザフィーチャー)」
(2)生態系におけるニッチ構造の解明に資する「逆相関ネットワーク解析」
(3)State-of-the-Artな系統解析手法「GS法とPANJEP法」
を紹介しながら、NGS時代における微生物×生態×進化という古くて新しい学問分野の今後についても議論したい。