松田 勝 教授らの研究により インドメダカの性決定遺伝子を発見

投稿者: | 2014年6月24日

多くの生物にはオスとメスとが存在し、どちらの性になるかは、多くの場合、性染色体の組み合わせによって決まります。しかし、性染色体は生き物の種類によって様々であり、さらにその性染色体上に存在する性決定遺伝子の実体は多くの動物において不明なままです。今回、基礎生物学研究所の竹花佑介助教、成瀬清准教授、宇都宮大学の松⽥田勝教授らの共同研究により、インドやタイなどに生息するメダカ近縁種「インドメダカ」の性決定遺伝子を発見し、性染色体の多様化をもたらした分子機構の一端を明らかにしました。この成果は、6月20日に科学雑誌Nature Communications(ネイチャーコミュニケーションズ)に掲載されます。本成果は,基礎生物学研究所、新潟大学、遺伝学研究所、宇都宮大学、東北メディカル・メガバンク機構との共同研究です。
研究では、インドメダカの性染色体を特定し、X染色体とY染色体とを詳細に比較した結果、Sox3遺伝子を含む領域が雄決定に重要な役割を果たすことを突き止めました。さらに、この遺伝子欠損メダカをゲノム編集技術で作出したところ、XY個体がメスになりました。これらの結果から、この遺伝子がインドメダカの雄への分化に必要かつ十分な遺伝子であることを示しました。Sox3遺伝子は,哺乳類の性決定遺伝子Sryの起源だと考えられている遺伝子です。哺乳類と進化的に同じ遺伝子がインドメダカの性決定遺伝子でした。

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[本件に関する問い合わせ先]
宇都宮大学・バイオサイエンス教育研究センター 教授
松田 勝(まつだ まさる)    Tel: 028-649-8155